朝型なんて幻で

帰りのグリーン車は新型車両で、座席は革張り、足元ゆったり、机も広々。おまけにコンセントと無線 LAN まで完備といたせりつくせりの空間で、ビールなんか買っちゃって、ちょいとした小旅行だ。

外はすっかり暗くり景色は見えなくなっていたので、その風景に惑わされることはないと思っていた。けれど次第に気分が悪くなり、つかの間の旅情を愉しむどころではなくなっていった。朝からの不調が気の抜けた僕に襲い掛かった。ビールは残し、フラフラしながら家へと向かう。

その日はとっとと寝て、次の日は朝 9時に目が覚める。ひどい夢と共に。
まだ少し眠かったが体調はまずまずだったのでエイヤと起きて、シャワーを浴びてカフェに向かう。朝の空気がすっかり夜型になっていた体には新鮮だ。

カフェについてモーニングとアイスコーヒーを頼み、黙々と作業。
お昼ごはんを食べに移動し、別のカフェでもうちょっと作業。
さらに帰ってからもう一作業・・・する気力は抜けてしまったので、掃除や洗濯などを済ませる。

久々に声を聞く。姿を見る。くだらないやりとり。そんなのが嬉しくて楽しい。僕が子供の頃の大人には空想の世界の話だったであろう事が、こんなに簡単に出来る時代にいる事は幸運なのかもしれない。

ご飯を作る。食べる・・・直前になってお茶碗を割る。さらに小皿も割る。
まだ気が抜けているのか、単におっちょこちょいなだけか。

とかなんとかしているうちにすっかり夜も更け深夜 2時。
結局僕は根っからの夜型なのかな、なんて、教わったラムを傾けながら考える。


・・・とかね。